仕事や日常で他者をサポートし、自分の役割を頑張っている中で、「自分が本当にやりたいことは何なのか」と感じたことはありませんか?
やりたいことがわからない悩みはふたつのタイプに分かれます。
まずは、ご自身がどちらのタイプかを見つけてみましょう。
どちらのタイプで悩んでいますか?
①進みたい方向や願いは分かっているけれど、そのためにどうすればいいかで悩んでいる
②何で心が満たされるのかがわからないと感じている
次に、それぞれのタイプに応じた内観のヒントを見ていきましょう。
①「どうすればいいか」で悩んでる時の内観
このタイプの悩みは、目標や願望が見えているものの、その実現方法に迷っている状態です。
単なる「行動リスト」を作るのではなく、自分の心が望んでいる行動を見つけることが大切です。
まず、人の期待や「こうすべきだ」という考えを一旦横に置きます。そして、自分の心がどうしたいのかに焦点を当てましょう。
例えば
自分の情熱を大切にしながら、心から楽しめる仕事をして、真の充実感を味わいたい。
また、これまで感じてきた『本当はこうしたいのに』というもどかしさを解消し、心の底から満足できる生き方を実現したいと感じている。
このように、書き出すことで行動のビジョンが自然と見えてくるはずです。
ただし、注意が必要なのは、書き出してみてもワクワクせず、むしろ「モヤモヤ」する場合。
- やりたいことを書き出したつもりでも、現実味の無い目標に思えて、本当にこれが本心なのかわからなくなる。
- 自分の情熱がどこにあるのかわからず、何を優先すればいいのか迷っている。心の奥で感じていることが多いだけに、言葉にするのが難しい。
- 自分と向き合おうとしても、「どうせ無理だろう」という不安が先に立ち、心の声を聞く余裕が持てない。過去の傷やトラウマが、自分を守るために壁を作っているように感じる。
こういった感覚は、「どうしたいか」よりも「どうすべきか」という思考が優位になっているのかもしれません。この場合、「やりたくないこと」に耳を傾けてみましょう。
自分が嫌だと感じていることを具体的に書き出すことで、その裏に隠れた本音が見えてきます。そして、嫌だと感じていることが明確になることで、その逆が「自分が本当にやりたいこと」として浮かび上がってきます。
②「何で心が満たされるのかわからない」と悩んでいる時の内観
この悩みは、表面的な「やりたいこと」を探しても心の充足感が得られない状態です。
そこで、ここでは、表面的な「やりたいこと」を一時的な心地よさ、心の充足感を得られる「やりたいこと」を内面的な充実感、と定義してお話します。
クライアント様の例
気分転換も兼ねてショッピング、ストレス解消に友人とお喋り大会。この時間も大切な時間だし、友人の存在はなにより大切。それなのに、楽しい時間が終わると後から空虚感が残ってしまいます。
内観による変化
私が本当に大切に思っていたのは、「自分の好きなものを選んでる瞬間のワクワクする感覚」「心から大切だと思える友人の存在、そのもの」。わかっていたことだけれど、当たり前すぎて、自分では絶対にたどり着けない納得感でした。
この気持ちを再確認できて、仕事でも温かい関係づくりや、ひとりひとりのワクワク感を何より重視していることに気づきました。本当に気づきたかった自分の一番大切な気持ち。涙が溢れました。
「行為」として好きでも、その行為自体が心を満たしているとは限りません。
心の充足感とは、「行為」としてではなく「この感覚を味わいたい」「この感覚を発揮したい」というもの。
たとえば、
「やらなきゃいけない」「こっちが正しいからやる」ではなくて
- 「理由があるわけではないけど、ただ心がときめく」と、夢中になれる感覚
- 「あぁ、生きてるって感じがするなぁ」と、命の時間を費やすことに満足できる感覚
- 「これが私だ」と心の奥が温まる、愛を感じて張り切れる、熱い想いがこみあげる感覚
- 「これでいいんだなぁ」とほっとする、心の奥の許しや平穏、存在への祝福がわき上がる感覚 など
言葉にすると抽象的ですが、人それぞれ心の深い場所が満たされる「ツボ」を持っています。
問題を抱えているわけではないけど、心の奥が満たされないときは、このような充足感が何か気づくタイミングかもしれません。
「満たされない=満たしたい」という欲求がわくとき、自然と「私は何を求めているんだろう」と自問が生まれます。ぜひ、その問いを大切にしてください。
※自分との向き合い方がわからなくて、満たされ無さに翻弄されたり、理想に執着してしまう場合は心が疲れてしまいます。自分との向き合い方のポイントはこちらの記事がお勧めです。
内観のケーススタディ
以下は、クライアント様から頂いたご感想・報告を基にまとめた文章です。
仕事をやめるか迷っていたAさん
「好きな仕事だからやめるのはもったいない」と思って、自分に合わない環境だと分かりながら我慢して頑張っていたAさん。
内観のきっかけ
体力的にも精神的にも限界を感じながら、決断に迷い悩んでいました。迷いの背景には
- SNSで目にする人に「自由に生きてる人=エネルギッシュなタイプ」という印象をもち、そうでない自分を比較して自信を持てずにいた
- もっと自分を信じて前に進みたい。でも、今ある環境に不満を抱くなんて贅沢ではないか。
こうした葛藤を抱えていました。
内観のご感想・変化
自分の気持を責めずに見て、どれだけ自分の気持を犠牲にして人に合わせてきたか実感しました。さらに、そうなってしまった自分なりの想いに気づいたことで、温かい気持ちで自分を許し受け入れました。
また、SNSに影響され「仕事をやめれば幸運が舞い込むのかも」と期待していた自分とも向き合いました。
感情や勢いに任せた決断でなく、心から納得のいくタイミングでやめることを決断したことが大きな自信になったそうです。
自分と向き合うことを大事にしながら、本当にやりたいことをして充実の日々を送っています。
本当にやりたいことを発揮したかったBさん
悩みは問題を抱えてはいないものの、過去に蓋した心の傷が蓋していられなくなって、セミナーに行ったりネットをみて自分と向き合っていたBさん。
内観のきっかけ
- 心の傷を癒せたら、もう少し自信を持てるようになる気がした
- 多少しんどくてもじっくり心を見たいと思った
- 自分では見抜ききれない細かい部分も伴走してほしい
そんな想いで内観をスタートしました。
内観のご感想・変化
「表現しきれない気持ちや自分でも謎に思う感覚をドンピシャで言葉にしてもらえて、小さな気持ちもわかってあげられた。」と丁寧に心と向き合う楽しさを実感されました。
本当は小さな希望をなくさず持っていたのに、自分の感覚を信じ切れなくて反射的にかき消してたことを自覚できてときは、「やっと心から安心できました。」と安堵の涙。と同時に、納得感を得たことで自分をやりたいこと、ずっと願ってた夢に気づけました。
自分の気持は自分にしかわからない。でも、自分で自分を知ることはとても難しいものです。
心の声に丁寧に耳を傾けて、細やかな気持ちをくみ取る伴走を受けながら内観したい方は、内観プログラムの内容をチェックしてみて下さい。
▼内観ノートのポイント
内観(ノート)のやり方。効果が出るコツは「自分への質問力」
▼スピリチュアルではない視点で内観する理由
内観ってスピリチュアルなの?