内観てスピリチュアル?とご質問いただくことがあります。
心のことを語る時、たとえ同じ領域のことについて話していても、好みによってスピリチュアル視点なのか、そうでないのか、選ぶ言葉が変わりますよね。
私の個人的な考えは「内観=スピリチュアルの探求」ではなく自分の心と向き合うプロセスです。当店の内観サポートは、スピリチュアルな体験を追い求めるものではなく、日常生活での心の動きに耳を傾け、自己理解を深めることに重点を置いています。
スピリチュアル否定派ではない理由
内観サポートをさせていただく中で、スピリチュアリティを大切にする方は多くいらっしゃいます。感じ方も、信仰も様々。「詳しくはないけど、スピリチュアルな話は嫌いじゃない」という方も多いです。
私の個人的な考えとして、個人の好みはそれで良いし、スピリチュアリティは、個々の感覚として大切にされるべきだと思っています。
私自身も、自分なりのスピリチュアリティを大切にしています。過去には不思議な体験をしたこともあり、それがきっかけで心の分野で活動する決意をした経緯があります。
スピリチュアルではない内観をする理由
スピリチュアルに否定的ではないものの、現在は活動スタイルとして「スピリチュアルではない視点から自分との繋がりを深める内観法」でクライアント様の内観をサポートしています。
これには、明確な理由があります。
例えば
表面対処だけで終わってしまうことがある
内観のプロセスでは、最初に思考整理やお悩みの可視化を行います。この時点で、徐々に気持ちが整理され思考もクリアになってきます。しかし、次の段階で無意識の領域に進むと、不安が生じること場合あります。
この不安は自然なもの。こうした湧き上がる感情を丁寧にやわらげながら、無理なく向き合い続けることで、徐々に心の深部から癒されて、納得のいく気づきに至ります。
ここで、不安を解消するためにスピリチュアルな情報を頼りすぎてしまうことがあります。必ずしも、それが悪いわけではないですが、多くの場合、一時的に感情を落ち着かせる表面対処となり、思考整理が振り出しに戻ってしまったり、自己対峙が進まないことがあります
トラウマを複雑化させることがある
「抱えている辛さはスピリチュアル的に意義のあること」の証明に意識を向けて、自分の心や体の反応を真ん中にして自分と向き合うことを避ける(又は困難になる)。
スピリチュアルな意味に当てはめるように自分の悩みを解釈し、本来の自己効力感・自己治癒力を取り戻すアプローチができない場合があります。
心の本音を内観しないことがある
「これも宇宙の采配だから」と真剣に悩んでいる気持ちを軽んじて、「マイナスなことに意識向けると波動が落ちて悪いことを引き寄せてしまう」と考える。常に前向きで楽観的であらねばならない、という緊張感が根付いてしまい、心の本音(ネガティブな感情)を観るのが苦しくなってしまうことがあります。
※全ての人に当てはまる内容ではありません。
こうした理由から、当店ではスピリチュアル視点ではない内観法で心と向き合うお手伝いをしています。
(内容はこちら)
「スピリチュアルは好きだけど、なんか違和感・・・」
自分と向き合いたい。そう思って心のことを検索するとスピリチュアルな情報が多く出てきますよね。本も多いし、習い事先でスピリチュアルに触れる機会も多い時代だと思います。
そんな中、「スピリチュアルは嫌いじゃないけど・・・」と思いつつ、学びになることも多い反面「これって本当に心と向き合うってことなの?」と違和感をもっている人は少なくありません。
「自分だけが特別」という自分優位な見方
自分が他の人よりも「悟っている」「特別な知識を持っている」という主張で、上から目線で自分自身を決めつけるような言葉を向けられる。または、そのような態度をとってしまっている自分に気づいて、反省した。
スピリチュアルな視点を強調され悩みを軽視される
真剣に悩んでいることや、大切な人を失った辛さに対して「魂が望んだこと」「波動が低いから」「宇宙のエネルギーのせい」「カルマのせい」「わかってないから」という言葉を向けられ傷つく。相手は悪気がない、気にしなければいい、と思いながらも「視える人だから、何か見えてるのかな・・・」と不本意なまま受け入れ過ぎて、苦しくなる。
※全ての人に当てはまる内容ではありません。
ここでご紹介した例が、自分自身の生き方として心にフィットしているのなら、それも一つの生き方かもしれません。
しかし、自分自身が違和感を感じている場合は、自分はどう思っているのか、自分が大切にしたいものは何なのか、自分自身の心に耳を傾けることが大切です。
ソフト依存に注意しよう
スピリチュアルな情報を見て、常識にとらわれ過ぎていたことに気づくことがありますよね。その反動で現実的な観点を軽んじたり、スピリチュアルに過剰に依存してしまうことはありませんか?
特に、恋愛の悩み、不安や恐れ、心身の不調、大きな決断を迫られている時などには、安心できる材料を求めて藁にもすがりたくなることってあると思います。
そんな時、つい、ソフトな依存状態になってしまうことがあります。
といっても、人を頼ることが良くないことだという意味ではないんですよ。心が辛い時、人に頼ることは悪いことではありません。むしろ、必要なことだと思います。私たちは繋がりの中で生きているし、一人で生きていくことは出来ないのだから。
人を頼ることと、依存的になること、この違いは目に見える境目があるわけではないので、難しく感じる人もいるかもしれません。
自分が個として安定的でいられる「心の軸」を持つ。そのうえで、他者(情報やモノも含む)と関わりを育むような「あんばいのいい距離感」を大切にしましょう。
※スピリチュアルが好きなことを否定しているのではありません。また、スピリチュアルが好きだからと言って、すべての人を依存的だと言っているのではありません。
※スピリチュアルな内容で発信している方を否定するものではありません。誤解無きようご理解いただけると嬉しいです。
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