心が軽くなりモヤモヤがスッキリする内観ノート。コツは「自分への質問」です。ここでいう自分への質問とは、無自覚レベルの‟自分を苦しめる思い込み“や、不本意な‟心のブレーキ”を発見するための質問のこと。内観ノートをやりたいけど、何を書けばいいかわからない人も、効果的な自分への質問が出来るようになるほど内観が楽しい発見の連続になります。
内観ノートのコツ
最初にお伝えしたいのは、意外と知られていない内観ノートのポイント。それは「書き方にルールや定型文は必要ない」「自分の心の反応に疑問・質問が沸く感覚が重要」てこと。
私は職業柄、よく内観ノートのやり方を聞かれるのですが、ホントに効果的なやり方って、人それぞれ異るなぁと感じています。やり方・ルールに沿って内観する、苦しい感情の羅列で気分が悪くなってしまったり、うわべの奇麗ごとや正論で偽物のプラス思考日記になってしまうなど表面的な向き合いで終わってしまう場合が多いです。
「表向きには出していない自分」を内観する
悩んでる時・心がモヤモヤする時は、“何をきっかけにして” “どんなモヤモヤ反応をしているのか”を書き出してみましょう。
普段表向きに出している自分だけでなくて、表には出さないようなネガティブな想い・感情に敢えて着目して棚卸するような感覚で書き出してみてください。
気持ちの背景をくみ取る質問をする
心の反応を棚卸したら、今度は「どうしてこう感じたんだろう。」「どうしてこう思うんだろう」と感覚に対して問いを立てます。今感じている心の反応が生まれた背景をくみとっていくんですね。
私たちの「こう思った」「こう感じた」という反応の背景には、採用している情報、設定した価値観・概念があります。
それらを採用・設定した背景には損得感情、危険回避などもあるでしょう。
そして、損得や危険回避をした背景には「だってこうしたかったんだもん」「あ―したかったんだもん」といった幼心のような想いがあったり、その幼心に対して自分自身がダメ出ししていることも多いです。我慢するしかなかった辛さがある場合は、その痛みを正直に認め、理解を示してあげてください。
どんな心の反応に対しても、批判的な解釈を加えずに内観すると、心は必ず問いに応えてくれます。
内観力は質問力
自分への質問に定型文はありませんが、複雑な質問は必要なく、コツさえつかめば非常にシンプル。
例えば
「この気持ちは誰に対してもわく感情かな?」「この思考パターンはいつから始まったかな?」「頭でわかっているのに心が晴れないのは何に納得したがっているからだろうか?」等々、自分の主観に集中し、その時々の気持ちに合ってる問いかけをしましょう。
内観サポートを受けるメリット
コツをつかむと、1分ほどでサクッと終わる内観から、長時間かけて潜在意識の深い部分にたどり着く内観もセルフ出来るようになります。自分の本質にたどり着くような内観力を上げたい方は、心の仕組みに沿った内観のやり方を体感的に学ぶのがお勧めです。※ご興味ある方は体験相談をご利用ください。
セラピストの内観サポートは、内観する際の意識の使い方を体感として理解できることが大きなメリットです。目に見えない心の扱いなので、感覚として実感できるほど日常でのセルフ内観も楽しくスムーズに、かつ効果的に出来るようになっていきます。
また、内観サポートは、お客様のおはなしを伺いながらセラピストが質問をしてくわけですが、その質問をきっかけに、お客様ご自身が心がどんな反応を示すか観察したり、自分にフィットする質問が思い浮かぶ実感があります。さらには、ハッとするような気づきに到達して涙を流す場面も少なくありません。
質問されるのが怖い場合
心の整理をしたい、自分の本音と向き合いたい。という気持ちがある一方で、本心を見るのが怖い。嫌な自分に会ってしまったらどうしよう。今の現状が崩れるようなことがあったら嫌だな・・・。なんて不安が湧く人もいます。こうした不安や怖さは、内観においてよくある感情でおかしなことでも情けないことでもありません。
内観しようとするときに湧き上がる不安、怖さは「本当に自分を尊重し、わかってもらえるのか、、、心身の安全を失わずにいられるか安心できない」というような心理状況です。この心理状況を無視せず、しっかり耳を傾けましょう。これまで気づいてこなかった無自覚の心の痛みを癒す段階に移行します。
質問されるのが怖いと感じていた例1
内観はしたいけど、言いたくないこともある。実際にサポートを受けてみると、「やっぱりそこ話すことになっちゃうのか…」と感じて一瞬すごく苦しくなりました。でも、すかさず、その苦しさを察してもらえた安心で涙がボロボロこぼれました。
無理に話を掘り下げるのではなく、話題を切り替えて、自分が感じていたことを心の仕組みとして解説してもらえたことで、自分だけの恐怖じゃなかったんだ、こういう反応ってあるものなんだ、と客観的に見れるようになりました。そこから私の場合と照らし合わせながら、丁寧に気持ちに寄り添ってくれた時、私が一番自分を責めていたことに気づきました。いつも思っていたことなのに全く気付かなかった本当の大事な気持ちにも気づけて、それを自分と約束できたことでやっと心から安心できました。
質問されるのが怖いと感じていた例2
自分の気持ちがわからなくなったり、自分の意見に自信がなくて流されてしまうのをやめたくて内観をしようと思いました。本音に近づくにつれて、お腹の奥が苦しくなるような、これ以上内観すると崩れてしまうような恐怖が出てきて、正直あの瞬間はもう帰りたい!と思いました(笑)
あんなに怖かったのに、あっさり元気になったことに自分でもびっくりです。ただ会話をしていただけなのに魔法のように気持ちが軽くなった・・・。でも、ただの不思議な経験として終わらずに、紀子さんご自身の経験や、今私の中で起きている不思議な状態を心の仕組みとして教えてくれた時、すごく納得して安心できました。納得できちゃうと、面白くなって、もっと内観したくなりました(笑)
後になって気づいたのですが、この怖さは以前からで、自分で突破するのは絶対に無理でした。怖いと思ってることすら認められなかった。こんなに丁寧に温かい内観は初めてでした。
温かい寄り添いはセラピストにとっても、内観するご本人にとっても、非常に重要な心の姿勢です。寄り添い、という言葉をつかうと甘やかしと誤解される方もいますが、そうではありません。誠実に真摯に耳を傾けるということです。
心の仕組みを理解してどんな心の反応に対しても批判のない姿勢で耳を傾けよう。自然な心の反応を不自然にコントロールしないよう心がけよう。そんな温かい寄り添いがあるからこそ、問いも生まれやすく、その問いに対しても心が応えてくれるのです。
ぜひ心の仕組みに沿った温かい内観ライフをはじめましょう。
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