親を許せない。そんな自分に開き直れたらラクだけど、心から納得できるかと言えば、そうではない。
これでいいのかな、でもどうしようもないしな。本当はどうしたいんだろう、自分の気持ちがわからなくなる
この記事では「親を許せない自分を許せない」辛さを体験している方が「許す」という言葉で自分を追い込むことなく、「この私でいいんだ」と感じられる心の在り方について書いています。
親に対しての複数の感情で苦しくなる
親から受けた行動や態度があからさまに酷い場合もあれば、周りには理解されないような精神的苦痛を受け続けている場合もります。親に対しての怒りや憎しみの感情は辛いものです。その辛い感情を自覚していながらどうしていいかわからないというのは、心を疲弊させてしまうこともあるでしょう。
親に対して抱く複雑な感情で悩んでいる人の中には「昔は親への不満も許せていたのに…」と自分の感情の変化に戸惑たり、親を許したいけど恨んでもいるなど、複数の感情が混ざっている場合が多いです。これまでは抑圧するしかなかった感情を解放していくときに、一気に苦しい感情を爆発させたり、嫌な記憶を思い出して解放しようとする人もいますが、それはお勧めできません。なぜなら、強い感情に対峙するにはクライアント本人の心と身体にゆとりがある状態であることが大事だからです。
親への恨みや寂しさは出来れば対峙したくないようなとても苦しい感情です。もしもその感情が出てきてしまったら・・・そう思うだけで多くの方は強い不安を感じます。こうした感情をゆるめて行くときにはサポートを受けながら自分を追い込まない取り組みをしましょう。
些細なことでも軽視しない
親との関係で悩みを抱えている人は、親を許すか許さないかの狭間を彷徨ったり、「人を恨んでも幸せになれない」「感謝すれば幸せになれる」というような啓発ワードに苦しんでいる場合が多いです。また、「親に本音をぶつければ関係を立て直せる」と誰かに言われて、自分の心境に深く寄り添うことをせずに、関係を立て直す方法ばかり気を取られてしまうこともあります。確かに、ネットを検索しても本を読んでも、状況が好転させるための方法であふれているのだから、そうしたくなるのも当然です。
しかし現実問題として、親を許せるならとっくに許してる、感謝できるならとっくにしてる、というのが実情ではないでしょうか。ぶつかり合おうにも既に亡くなってるという場合も多いです。つまり、関係を立て直すための行動よりも、今困っている「この辛さ」つまり「苦しい感情」を軽くすることが悩みを軽くする必要な取り組みです。
まずはこれまで様々な気持ちを抱えながら生きてきた労力を自己理解理解し、ネガティブな感情を抱く自分を否定しないでいられる段階に進みましょう。
心の中に安全感を育てる
親を許すか許さないか、といったことよりも重要なのは、心の中に安心安全感が少ないことに気づいて育てることが大事です。そのためには
- 辛い感情が湧く自分を許す
- 自分を苦しめている思考パターンから抜け出す
- トラウマ感情を手放す内観
これらを状況に合わて取り組むことで心の中に安心・安全感を育てることが出来ます。すると自然体なままの自分を「これでいいんだ」「これが私だ」と許せるようになります。親を許すか許さないかの前に、まずは自分を許す。自分が自分に許される感覚を育てましょう。