愛されたいと願う一方で、実際に愛されることが苦痛に感じる。そんな矛盾や葛藤を抱く「愛され恐怖症」に苦しんでいる方へ。この記事は愛され恐怖症の理解と克服へのステップをご紹介します。
※記事の内容が全ての人に当てはまるわけではありません。細かい心理状況はお一人お一人異なります。
愛され恐怖症の典型的なパターン
愛され恐怖症によくある例をご紹介します。細かい部分は人それぞれ異なりますので、自分の場合はどんな心理状態か内観してみてくださいね。
例
- 遠ざける傾向: 他人との関係が深まると、逆に距離を取りたくなる。
- 自己防衛: 不安から壁をつくるようなコミュニケーションをしてしまう。
- 自信がない: 自分は愛されるに値しないと感じ、愛情を受け入れ難い。罪悪感が湧く場合も。
- 不安と疑念: 他人との親しい関係や、愛情を信じにくい。確認行為をしたくなる。
- 繋がりを失う恐れ: 関係が深まると同時に別れを恐れ、喜びと恐怖が交錯する。
愛され恐怖の背景にあるもの
愛されることが苦痛に感じる背景には、過去の経験やトラウマから生まれた前提・連想が影響していることがあります。また、恋愛関係だけとも限りません。
例
- 親しくなれば依存・干渉・束縛・強要され自由や尊厳が脅かされるような不安がわく。
- 他人の期待に応えられない不安や悲しみがわく。
- 重い責任を背負うような感覚になる。
- 他者との競争や嫉妬に巻き込まれることへの不安・連想がわく。
- 愛されるに値しないと感じ、喜ばしい状況に罪悪感を感じる。 など
なぜ愛されることが怖くなった?
価値観や思考パターンの形成には、子ども時代の感情・感覚、過去の経験・トラウマなどが根底にあることが多く、内容は様々です。
例えばAさん(掲載許可を下さったクライアント事例)は、子供時代に親や家族の都合に適応しなければならず、大人になってからも【自分を抑え込む癖】となっていたことに気づきました。嬉しいことや喜ばしいことには強い罪悪感を抱き、人間関係で親しくなるにつれ干渉されるような苦痛を感じ距離を取る。そんなパターンを繰り返していました。
また、Bさんは、高圧的な態度でモラハラが当たり前のような職場で働いていた時代があり、精神的に苦しかったものの、それが当たり前だと自分に言い聞かせて頑張っていたそうです。環境を変えて当時より穏やかな生活になったものの、心と身体に不調が重なり内観をはじめました。
すると、【自分の意思や意見を持つことはもっと危険で苦しい状況に発展させてしまう】と怯えて過ごしていたことに気づき、同時に安心する感覚に対して強い抵抗があることに気づきました。
このように背景は人それぞれの事情があり、克服のプロセスも大きな個人差があります。他人と信頼関係を深めたくても相手を拒みたくなる感情が湧くため、自分でも困惑し自己家のに陥ることもあるでしょう。そんな心の強張りも、丁寧に内観して少しずつゆるめていくことが出来ます。
愛を受け取れるようになるためには
まずは好意に対して苦痛に感じる自分を責めないこと。ネガティブ感情を批判しないことが大切です。初めは難しいかもしれませんが、自分や自分の感情を「批判しない」とはどういう感覚なのか、当店では少しずつ体感を深めるサポートをしています。
自分を苦しめている感情や信念に理解が深まると、愛を向けられる喜びはわがきつつ、それを曇らせる抵抗感が徐々に小さくなっていきます。そして
内観の際には、注意点もあります。やみくもに苦しい感情に浸らない、過剰な成長願望や理想像を持ち込まないここと。心と体の仕組みに沿って安心する感覚を深めることが大切です。
そのプロセスが進んで行く中で、愛される勇気・愛する勇気も育てていきましょう。
愛され恐怖を内観をしたご感想
【30代の方/不安と疑念、自信がない】
大前提として「本当の自分は嫌われるに決まってる」と心底思い込んでいたんだと気づいてスッキリしました。
今までは相手か自分、どちらかを否定して苦しかった。にもかかわらず、表向きの私は奇麗ごとを自分に言い聞かせて本音を引っ込めてました。それは相手に合わせる努力もしたかったから。もう限界だと認めるのが怖くてこんなに苦しくなるまで溜め込んでしまいました。これほど「丁寧な内観」をしたからこそ、本当の一番大事な想いにたどり着いたのだと思います。本当の意味で相手も自分も尊重したい、自分も相手も愛せる自分になりたい。心の底から納得と安心と感謝しかありません。この想いを活かすために山ほどできることがあります。この気持ちに気づけて本当に良かったです。
【40代の方/遠ざける傾向・繋がりを失う恐れ】
「どうしてこんなに自分だけ我慢・遠慮して生きなきゃいけないんだ」と怒りがありました。でもそれは表面の気持ちだった・・・
内観を学びサポートして頂いたおかげで、背を向けてきた苦しい感情に寄り添えました。自分の好意や想いを踏みにじられた悲しみや恥ずかしさ、この感情が辛過ぎて手放すどころか認めることが出来なかった。心の仕組みを学び始めて少しずつ自分の中にある痛みが癒され始めた感覚でした。
自分を出すのが怖い、褒められても絶対信用しない(できるわけない!)、本当は認めてほしい気持ちでいっぱいなのに・・・そんなループをどれ程繰り返してきたかわかりません。本当に自分が嫌でした。
今は緊張してもいいから、自分らしさを許したり、信頼している人に自分から心を開くチャレンジをしようと思えるようになりました。練習中だけど、今までとは全然違う自分に驚きます。なにより、人の優しさを感じとても恵まれているなあと感謝がわいてきます。
愛され恐怖の根本解決に至るには
内観を実践していくときは「もう二度と不安感情が湧かない自分」になろうとしないことが大切です。こうした目標は成長願望として湧くものではありますが、やがて自分を追い込んでしまいます。
愛されること、好意を向けられることに許可を出す。その上で「やっぱり苦しくなるな」「やっぱり不安だな」と思ったときにはその気持ちに蓋をせず「あ、これは過去の反応パターンが出ているな」と気づけるようになりましょう。
すると、自分を安心へと導けるようになり、苦しくなる度合いも回数も減ってゆきます。この心のバネを育ててながら、安心して愛を受けとる土台も育っていきます。
こうした内観に。ご興味ある方は体験相談をご利用ください。体験相談はこちら
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