愛されたいのに、愛されるとが苦しい。そんな自己矛盾に苦しむ人は少なくありません。
愛され恐怖を持っていると、学校、職場、プライベートの人間関係でも親しくなると気が重くなったり、親しい間柄でも相手を信頼できず不安が湧きやすくなります。場合によっては、自分から関係を断つような行動言動をしてしまい自己嫌悪・・・なんて状況になると本当に苦しいですよね。
どうして愛されるのが苦しいのか、どうすれば愛されることに安心できるようになるのか、自分なりの納得に近づくヒントとなれば幸いです。
※この記事の内容が全ての人に当てはまるわけではありません。細かい心理状況はお一人お一人異なります。
自分の欲求に罪悪感を持つ
私達の価値観や思考パターンの形成には子ども時代の感情や感覚が強く影響します。親や家族の不機嫌に気を使っていたり、親や家族の体裁・都合を優先せざるを得ない心理状況だと、子どもはあるがままの感覚より親が喜ぶ自分を演じたり、親を刺激しないよう注意が働きます。これらは子ども本人は自覚していない場合も多く、大人になってから気づくことも多いです。
また、親の心配事を聞かされ過ぎたり、過剰なリスク管理を強いられ、自分の欲求を悪いものだと思い込んでしまう場合もあります。これもまた子ども本人には自覚がなく、むしろ自分を心配してくれる親の愛を裏切ってはいけないような強迫観念・罪悪感等を持つ場合もあります。
当てはまるものはありますか?
- 親が喜ぶよう演じた自分を本当の自分だと思い込む、あるいは思い込もうとしている気がする
- 本来の自分を隠せば愛してもらえる(安全でいられる)という気持ちがある
- 親がかわいそうで自分はガマンするしかない
- あるがままの自分では愛されない
- 自分の喜びは相手を犠牲にしてしまうような気持ちになる
大人になってから人間関係で辛くなり内観をしたところ、無意識の領域でこうした大前提を持っていたのだと気づくことがよくあります。
愛を受け取れるようになるには
心理状態は、子ども時代の親の行動や言動だけでなく、本人の体質、気質、家族構成、時代背景なども関係します。どれかひとつではないことが多いですが、子ども時代に抑圧せざるを得なかった未消化感情に気づくことで、その痛みを癒し、過去を過去に還すステージへと移行してゆきます。愛される恐怖や罪悪感をリセットしたい人は純粋に求めている本当の要求に気づくことが、愛を受け取れるようになるきっかけとなるでしょう。
※苦悩の原因は全て親のせいであると短絡的に考えてしまうと、それはそれで語弊があります。本質的な自己理解を深める内観をしましょう。
なかなか変われない「愛され恐怖」とは
幼少期の体験と限らず、大人になってからの体験も含め、トラウマ化したことで愛され感を避けるようになる場合もあります。人と距離を縮められかったり、親しくなると遠ざける、好意を向けられると怖くなることもあります。
ここでいうトラウマとは大きな出来事と限りません。驚き、衝撃、緊張、恥の感情など、一見すると些細な出来事のように思うシチュエーションだとしても、心と身体にとっては強い負担となりえます。
受け入れがたい状況をただ耐えるしかなかった・・・というような体験記憶が、心と身体に刻みこまれ、嫌な思いをするくらいなら余計な期待は持たずに希望を捨てて我慢していた方がマシ。という決心になっている場合もあります。
これは過去がそうだったから、きっと未来もそうであろうという強い思い込みと、そう思い込むことによって最も避けたい感情を避け安全感を確保することに成功しているている状態です。
過去のトラウマで幸せを避けてしまう人は、こうした緊張状態を抱えてきた心労を労いながら、心の安全感を呼び覚まし育てていくことで、「きっと未来もそうであろう」という強い思い込みがゆるんでいきます。
安全確認をしたくなる
恐怖や不安が大前提として根付いていると、快を得る欲求よりも不快を避け安全を確保することが優先事項なので、見通しよく予測が立つ安全の確認をしたくなります。とはいえ、当然快を得たい、前に進みたい、など希望や意欲もわいてくる日もあります。こうした自己矛盾を抱えながら、変わりたいのに変われない辛さで自暴自棄になったり依存性が高まる人もいるでしょう。
こうした場合、まずは自分の内面で起きている自己矛盾や、未来の安全確認が出来なくて不安・恐怖になっている自分を許容できるようになることが大切です。無理に不安や恐怖をなくそうと言い聞かせるのではなく、その不安・恐怖を受け止め、心労をねぎらってあげてください。
根本解決とは
内観し自分を理解することで、愛される苦しさ、好意を向けられる怖さを手放せます。その実感を得るためには「もう二度と不安感情が湧かない自分」になれるという非現実的な認識を改めること。この誤解はやがて自分を追い込んでしまいます。過去の痛みにとらわれなくなっても、喜怒哀楽の感情がない人間になるわけではありません。
愛されること、好意を向けられることに許可を出す。その上で「やっぱり苦しくなるな」「やっぱり不安だな」と思ったときにはその気持ちに蓋をせず「あ、これは過去の反応パターンが出ているな」と気づけるようになりましょう。そして、その不安を安心へと導けるようにあると、「やっぱり苦しくなる」の度合いが減り、回数も減ってゆきます。この心のバネを育てていくことが、本当の意味での根本解決となります。
愛されることを求める自分になっても大丈夫。好意を受け取る自分になっても大丈夫。その実感を深める道のりは、自分を認める。心を開いていく。愛する気持ちを「感じてみる。」そんな勇気を使うことでもあります。より楽しく生きる勇気を、喜びの中から使っていきたいものですね☆
内観のご感想
愛されると苦しくなる、好意を持たれると拒んでしまう感覚がある方が内観してどんな気づきを得たのか、また人間関係やご自身の人生に対してどんな想いの変化があったのか、一部ご紹介します。
内観したお客様の声
相手の期待に応える努力はもう疲れた。「本当の自分は嫌われるに決まってる」と思い込んでいたと心底気づいた。
内観して、今まできれいごとを自分に言い聞かせていたと気づいた。自分の本音を引っ込めて、相手に合わせる努力にもう限界なんだと思えてラクになった。いい加減疲れ果てて、心がもうそのパターンから抜け出そうとしてるとおもった。今までは相手か自分かを否定するしかなかったから、相手の言葉も疑いを持ってた。でも本当の私は相手も自分も尊重したい、そのために自分がやれることは何かを考えれるようになりたい。その自分でいいと納得したかった。そんな気持ちを思い出したら、人とのかかわりがラクになった。人に心を開くのができなかった私だからこそ、喜びをしみじみ感じます。
内観したお客様の声
「どうしてこんなに自分だけ我慢・遠慮して生きなきゃいけないんだ」と怒りや虚しさを抱えてた
自分が今までどれほど悔しい想いをしてきたか、痛みに寄り添えた。我慢や遠慮は、自分の好意や想いを踏みにじられた悲しみや恥ずかしさ、理解されないことを諦めてきた寂しさが根っこにあると気づきました。長年心の奥で拗ねていた、その切なさをわかってあげて、スーッとラクになった。
自分を出すのが怖い、褒められても絶対信用しない、だけどもっと認めてほしい、そんなループにいたのに、今は自分らしさを出すことが楽しい。チャレンジもプロセスも幸せです。
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