幸せ恐怖症の怖さは、性格の問題ではありません。こんなふうに感じる自分がダメなんだ、と自分を責めなくても大丈夫です。
この記事はこんな人におすすめ
- 幸せを感じた直後に不安や緊張が走る
- 自分が幸せになると誰かを裏切るような申し訳なさがある
- いいことがあると怖くなる
- 自分は幸せに値しないと思ってしまう
- 自分で幸せになることを避けているような気がする
など
幸せを感じたときに苦しさや違和感を感じる「感じ方」のことを幸せ恐怖症という言い方をすることがあります(幸せ恐怖症とは、正式な診断名ではありません)。
「幸せな感覚=危険・脅威」という脳内学習がされている状態だからかもしれません。
脳内で再学習され「心地よさを安心して味わえる状態」にしていくことで幸せ恐怖症を手放すことが出来ます。
再学習といっても、「プラスな言葉でアファメーションする」「思い切ってやりたいことをする」というお話ではありません。もちろん、前向きな行動は大切ですが、幸せ恐怖の感覚で困っている人は「それができないから困ってる」「それは試したけど解決しない」という場合が少なくありません。
体感として本当に心地よさを安心して味わえる状態になるためには
✔「適切な心の見方」を知り(知識)
✔心の中にとどまっている「怖さ」を理解し
✔「ゆるめる準備」をしてから
✔過去の傷をケアして
✔前向きな行動も選択する
このプロセスをたどることで体感的にも変化を実感しやすくなります。
「幸せ=警戒すべき」という無意識
過去の傷ついた体験・トラウマなどの影響で心地よさを味わうことにブレーキがかかってしまうことがあります。
たとえば、
「幸せな気持ちになった直後に嫌なことが起きた」経験が繰り返された人は、
「幸せ=警戒すべき」という回路が強化されてしまう。
心の動き方を内観し、消化しきれない過去の傷を癒していきましょう。
幸せ恐怖症の「感じ方」とは
幸せ恐怖症と一言で言っても、厳密にいうと人によって感じ方は様々です。
あなたが感じている怖さはどんなニュアンスですか?
よくある例
- 幸せを感じる自分は許されない/罪悪感
- 幸せになると嫌われる、妬まれる/人間関係のトラウマ
- 幸せは長く続かない。油断すると危険/安全を感じにくい
- 私は幸せになってはいけない人間/無価値観 など
恐怖を減らし、安全感を取り戻すには
「怖い感覚」を把握する
恐怖(感情)は、感じ切ることが出来ると消化されると言われています。とはいえ、あくまでも「しくみ」の話で、実際に恐怖感情を味わいきるのは難しいもの。しかも、タイミングを見計らわずに恐怖感情に触れ過ぎることで恐怖症が強まることさえあります。
幸せを感じる➡嫌な気持ちになる
幸せが近づく➡怖くなる
幸せになりたい➡願うことはOK
こうして自分の状態を紙に書き出して無意識のパターンを意識化するのもお勧めです。
安心・喜び・心地よさの回復
「幸せを感じる=危険」この脳内学習が、「今は安全だから楽しんでいい」「幸せを感じても大丈夫」と感じる状態に変化することが幸せ恐怖の根本解決。
脳内の記憶を変化させる?!なんだかハードル高く感じちゃいますよね。でも、大丈夫。
私たちの脳は、元々感情をコントロールする調整システムを持っています。
「危険」と感じているものを「安全」と感じられるようになるために何が必要だと思いますか?
感じ方が変化するには
「危険・怖い」が「安全・安心」と感じられるようになるには
- 危険はない証拠
- 安全な証拠
- 万が一危険だとしても大丈夫な証拠
がそろえば「大丈夫かもしれない」が生まれる。
「かもしれない」の感覚が「ほんとだ、大丈夫じゃん」になれば「安心していいな」となるわけです。
つまり、私たちの感じ方がリアルに変化するには「実際にそう感じる体感がある」ということです。
どうすればいいの?
幸せ恐怖が減って「大丈夫」な感覚を得るには、ざっくりいうと2つの方法が考えられます。
- 怖さを避けずに、チャレンジして慣れる。大丈夫な体験値を増やす
- 怖さがトーンダウンしていく体験値を増やして、無条件の安心感を増やす
どちらが有効かは個人差があります。じっくりお話を伺いながら、心の傷をケアする個別サポートさせていただきますね。(※個人差はありますが、基本的には「2怖さを減らして、無条件の安心を増やす」のが当サロンの考え方です)
「申し訳ない、肩身が狭い」この感覚の変化
子供の頃から、大人や周りの感情や事情を読み取っていたクライアントAさん。
今現在は穏やかな生活をしているのに、心のどこかでいつも居場所がないような不安感を持っていました。
Aさんと限らず多いのは、「すごく大きなショック体験」がきっかけではなく「子どもの頃から漠然と幸せに対して罪悪感を持ち、ジワジワ積み重なって幸せ恐怖症を自覚するようになった」というパターン。
自覚していない間も、怖さを何重にも重ねているんですよね。だからこそ、ただプラス思考で行動を変えるだけでは心が追い付かないことが多いんです。
Aさんの不安な感覚や、自分でも気づいていなかった見えない努力を一緒に内観しながら「怖さがトーンダウンしていく体験値を増やして、無条件の安心感を増やす」サポートをさせていただきました。
Aさんから、ある日のご報告
この前、地下鉄に乗っているときに、今まで席に座ることに罪悪感を持っていたことに気づきました。自分ではそんなつもりはなかったけど、子供の頃からそうでした。 生活のあちこちにあった申し訳ない感覚、同時に肩身が狭くなる感覚が明らかに減ってます。一つ一つはすごく小さなことだけど、生活全部がすごくラクになりました。
Aさんが感じた「そうだったと気づいた安心」「気づいたら安心してた」この体験が増えることで、心のなかに「安心のベース」が構築されていきます。
ポジティブ感情を感じる器が弱い
満たされると苦しくなる
幼少期に「安心する感覚、愛される感覚、喜び・共感・達成感・承認」などの構築が弱いと、大人になってからもそのポジティブな感情を“受け取る器”が頑丈でないことがあります。
その結果、「喜び」への感受性が鈍くなり、「嬉しい」「満たされる」感覚が逆に不快さとして感じてしまうことも。
- 愛されると戸惑う
- 喜びを感じても持続せず、逆に不安になる
- 自信を持てず、何かを得ても「虚しさ」が残る
といった反応が起こりやすくなります。
クライアントBさんの事例
「感謝されると申し訳なくなる」もう限界だった
子供の頃からあったソワソワ。周りに感謝されると申し訳ない。ひどい時には怖くて吐き気がするほどでした。自分が褒められたり、やりがいを感じたりするたびに身の置き場がなくなるというか、何かに襲われて崩れそうな感覚だった。仕事も家庭も目に見える問題がないから人にも相談できず、いよいよ限界を感じて内観を習いたいと思いました。今はやりたいことしても純粋に楽しめます。感謝もどこまでも広がる感覚。感動しています。
無意識に幸せを遠ざけてしまう
長年厳しい環境下にあった場合、「幸せを感じない状態がスタンダード」という感覚を持っている人もいます。
すると、「幸せな感情」が「注意すべき状態」と感知してしまい、違和感や不安がわきやすくなることもあります。
link:愛されることが怖い「 愛され恐怖症」を理解して克服する内観
安心できる「安心力」を育むサポート
「あなたならではの痛みの構造」が見える化されされ「言葉で示しきれない感覚」や「言葉になる前の感覚」が軽視されずに安心の感覚が湧き上がる。この変化のグラデーションを実際に体感する内観プログラムはこちらです。