どうしてこんなにクヨクヨ考えすぎてしまうんだろう。いつまでも自信が持てないのはなぜ・・・。そんなふうに考えている時は、魂が自己否定の癖を抜け出そうとしている成長の時期かもしれません。
自己否定のパターンを把握する
自己否定とは自分で自分を「良い」「悪い」に仕分けて裁いている心理状態です。少し極端な言い方をすると、「こんな自分なら受け入れられるけど、そうでないなら批判する状態です。この癖が形成されるプロセスを紐解いてみたことはありますか?これからは自分を苦しめるように自分を否定したり責めたりしなくても良いんだ、と納得できると自然と心に変化が起こります。まずは自分がどのような自己否定の癖を持っているのか、改めて内観してみましょう。
あなたはどんなパターンで自分にダメ出しをしているとかんじますか?紙に書き出したり、日ごろから思考パターンに気づくアンテナを立ててみてください。
「こう思っちゃいけない」
感情・感覚・価値観へのダメ出し
「こう考えちゃいけない」
解釈・判断・捉え方へのダメ出し
「こうしちゃいけない」「こうしなきゃいけない」
行動・言動・方向性へのダメ出し
「こんな自分はダメだ」
状況・状態・結果へのダメ出し
思考パターンのリセット
自分の自己否定パターンを把握してみると、人によっては「こんなことを考えている自分は、なんて未熟でダメな奴なんだ」と、すぐに修正しようと焦りが湧いて自己否定をする自分を自己否定する場合もあります。このループに入ってしまうと気持ちが八方塞がりになってしまいますね。
長年癖づいた自己否定をやめていくには、いきなり前向きな考え方に変えようとして変わるものではありませんよね。まずは自分を苦しめる考え癖や、感じ方のパターンをリセットしていく必要があります。リセットするために必要なことは安心、納得、ゆとり、希望です。どれも抽象的で感覚的なものですが、こうした余裕のある状態が本来の軸。
ところが、私達はつい、何が問題でどう修正して行くべきなのか、という思考で堂々巡りしてしまいがち。これでは、ゆとりどころか、緊張と興奮に向かうだけです。意識的に自分に理解を示す心の姿勢をもってあげてください。自分への寄り添が必要なのです。
思って来たこと、感じてきたことを心から認め、そんな自分を労うようにわかってあげましょう。これは表面的なパフォーマンスとして自分に寄り添っても全く意味がありません。自分の辛さを認めること、不本意ながらに否定してしまう言い分を理解すること、自分を責める許可が出ている無意識を内観して寄り添うことで、着実にリセットされていきます。
心の反応の扱い方を学ぶ
自分を責めてしまう癖が強い人は、出来事や相手に対して湧き上がる要望や、怒り・嫉妬などの感情に嫌悪感を抱く傾向があります。相手を悪く思ってもどうせ状況は変わらない、変化を期待しても絶望するだけ、これ以上失望して傷つきたくない、だから最初から期待しないように願わない自分でいよう。そんな固い決意や、深く静かな寂しさ、空虚感を持っている人も多いでしょう。
他人を変えることはできないとわかっているのに、どうしてもイライラする。相手にも事情があるとわかってるけど、どうしても納得がいかない。こんなふうに思う自分が悪いんだよな…と自分を悪者の位置においてしまう経験は誰もがあると思いますが
そうした「自分の心の反応」をどのように扱っていくのか、自分に寄り添うとはどういうことなのかを学んでいきましょう。
内観して自己否定の癖から解放された方の例
- 散々自分を悪者にしていたことに気づいた。初めて自分にごめんねと心から思えた。
- 気づいていなかった本音に気づくのが怖かったのに、実際に気づいた時には安心で涙が止まらなかった。
- 自分が変われば相手が変わるというのを実感して驚いてます。
- どこまでも自分でいい、許していい、という意味がようやく腑に落ちました。
- 母とラクな気持ちで会話できるようになった。
自己否定の根本解決は自己信頼
内観サポートをさせていただく際に「自信を持てるようになりたい」という声をよく聞きます。あなたは自分に自信を持っていますか?自信がない人は、自信がないことでどんな不便さや不快感を感じていますか?そして、もしも自信を持てたら、どんな気持ちの変化があると思いますか?
自信とは自分を信じること。ここでいう自信とは、誰かより優れてる、勝ってるからヨシとするする。という意味ではありません。他者との比較にとらわれずに自分を信頼できる心の安定感のこと。つまり、自己信頼によって自然と自分に自信を持てるようになります。
自己信頼を構築するには、自分の心の反応に耳を傾ける必要があります。心や体の声を聴く、案外やっていないなぁとおもいませんか?私達は生産性や達成感を重視し過ぎるがあまり、心の反応を置いてけぼりにしたまま、より良く、より前へ、より高く、と行動する思考が優先されがちです。「自分を信じていい」「自信をもっていい」「考えすぎなくていい」「まずは行動してみよう」などポジティブな正論は自分に言い聞かせるものの、心からそう思えて、そこに希望を感じることが出来なければ、なかなか実践にはつながりません。
自己否定を根本解決したい方は、まずは自己信頼を構築すること。その歩みはとても優しく温かい気づきの連続です。ネガティブな感情の扱い方を学んで、深く根付いた自己否定を癒しましょう。