内観は、心の状態を自問自答し、内面的な気づきを深めるメンタルケア方法です。
特徴は、表面的なモチベーションアップではなく
どっしりとした内面の変容。
過去の傷が癒えたり
気づかぬうちに自分を縛っていた思い込みから解放されることで
「ケア」だけにとどまらず
人生の喜びを深める大きなきっかけとなることも多いです。
無意識に触れるような「深い内観」をするには
自問自答の精度を上げる必要があります。
自問自答するときの
自分に対しての質問力。
ここが、内観効果を高めるコツです。
この記事は
効果的な内観のやり方
「自分への質問力」について解説しています。
特にこんな方におすすめ
- 内観してるけど、なんかしっくりこない。
- 表面的なことではなく、自分の本質を分かりたい。
- もっと精度の高い掘り下げ(深堀り)ができるようになりたい。
LINK/内観のやり方・基本編はこちら
内観の「質問力」を高めるために大切なこと
【重要】
「問い」を作ろうとするより
「心の動き」に集中する。
普段私たちは、悩みがあると
「どう解決するか?」を考えます。
それをいったん脇に置くところから
はじめます。
内観の質問力を高めるには
心や体の微細な反応
(緊張、不安、違和感、安堵など)に集中して
丁寧に感じとること。
すると、自然に
「なぜ今この感覚があるのか?」
という「問い」が生まれます。
例
「仕事の評価が気になる」
という悩みがあったとします。
「どうすれば評価が上がるか?」
「評価に執着しないようにするには?」
と考えを進めずに
「仕事の評価を気にしている感覚」
に意識を集中させます。
「仕事の評価を気にしてる自分がいるな」
➡ただ受け止める、把握する
心と体はどんな反応をしてるか観察
➡「焦り、悔しい、のどが詰まる、胃が重い」
その感覚(辛さのニュアンス)を感じ取る
➡「責められてるような気持ちがわいてるな」
「不安で怖い感じがする」
「肩に重さを感じる」など
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「自覚していた以上に恐怖感が強いな。どうしてこんなに怖がってるんだろう」
➡自然に「どうして?」が生まれる
「あ…この怖さって、〇〇の時と同じだ」
➡自然に「あ…」が生まれる
「どうして?」「あ…」と
自然に生まれる疑問や気づき。
この感覚をつかむと、どんどん質問が生まれます。
これが「内観効果を上げる質問力」の本質です。
質問をひねり出さなくても、内容の濃い自問自答となり、自分を深く理解することができます。
本当に必要な疑問が
生まれる前に
問い立てていませんか?
本やネットを参考にした「良い質問」を活用することも気づきのヒントになりますが、自分の内面から生まれてない「質問」や、「いい質問をしよう」と頭で考えて進めても
「頭では納得したけど、心がしっくりこない」となって、内観が深まりにくいです。
LINK/【内観あるある図鑑】内観ヒント集
内観力UP「質問力」を高めるには?
感情、思考の動きを丁寧に観察し、普段気に留めていない心の動きに敏感になってみる。
この観察力が、自分への質問を生み出す鍵となります。
「心を観察」って何を見ればいいの?
心の観察は、意識の使い方がポイント。
私たちは普段、ほとんどの時間を「外側の世界」に意識を向けて生きています。
外側に向かう意識とは
例
- 誰かと会話をしているとき
➡ 相手の言葉や反応に意識が向いている - 仕事をしているとき
➡ 作業や結果に意識が向いている - SNSを見ているとき
➡ 他人の投稿や評価に意識が向いている
このように、日常的に
「外の出来事」に注意を向けて
内側に「反応」が起きています。
内側の「反応」とは
例
- 会話をしながら、
私は「この人って私の話に興味があるかな?」と気にしている。 - 仕事をしながら、
「私、これをうまくできてるかな?」と評価を気にする。 - SNSを見ながら、
「なんかモヤモヤする…」と感情が揺れる。
心の観察は
- 外側に対して「反応した内側の動き」
- 内側で繰り広げられる心の景色、言葉の景色、どんな感情の体験をしているか
=心の動きに注目します
LINK/心をくみ取るやり方・内観の掘り下げ例
とはいえ、
実際やってみると・・・
内観(ノート)の「やり方」だけではスッキリしない
深いところに気づくには、
あなたの
心の景色(個別性)に寄り添った
独自の問い・順番・アプローチが必須です。
なぜなら、無意識領域の深い「気づき」にたどり着く途中で、自問自答がストップしてしまうから。
このブレーキは、防衛機制やトラウマ回避など様々な役割があります。
【注意】
内観中に起きるブレーキ感は、性格の弱さではありません。
心と体の機能として必要な役割を果たしています。
どんなに有意義な内容で自問自答をしていても、ブレーキがかかることは全く珍しいことではありません。
そのときに、
- ブレーキの必要性を理解する
- ブレーキを緩めることへの配慮(バランスを保てなくなる可能性)など
丁寧に耳を傾けます。
この理解がないまま、内観効果だけを期待したり
「今の状態」を把握せず変化を急ぐことで
さらにブレーキが強化されたり、
不用意な感情開放により、抑圧(ふた)が強化されることもあり得ます。
予備知識
活動や興奮を促す神経が活発な人は、新しい環境や刺激に対してエネルギッシュに対応しやすい。
しかし、リラックスや回復を促す神経が優位になりやすく、刺激の多い環境ではストレスを感じやすい人は、単に「変化」だけではしっくりこないことも多いです。その場合、形としての変化だけではなく、心の納得感や内面の変容を伴うことでエネルギーがわいてきます。
悩みと向き合うときも、悩みの内容や体調、個性によって内観のプロセスが異なります。
LINK/マンツーマンで行う内観セラピー
内観に最も大切なものは「温かさ」
自分の内面を見て、気づいてない自分を知ることは不安や恐怖がわきやすいものです。
また、過去の傷や現在の悩みを取り扱うので、認めたくなかった感情に気づいたり、自分を認める勇気が必要な場面もあります。
そうした不安、恐怖、勇気に温かい理解を示し、内観する自分をねぎらう姿勢(スタンス)がとても大切です。
【超重要】
「温かい内観の姿勢(スタンス)」から
意識がズレている瞬間は
期待する結果、変化に意識が向かいます。
すると
内観効果に一番重要な
「内面を見るプロセス」を
大事にすることができません。
プロセスを大事にできなければ、
内観は深まりません。
内観効果を上げるには、質問スキル、知識も必要です。
でも、結局のところ
土台になるものは「あたたかさ」。
ここが最も大切なポイントです。
※内観セラピーは、セラピストがクライアントさんの内観姿勢と洞察をサポートしながら、悩みや葛藤が「気づき」に至るサポートをしています。
▼温かく向き合う
▼内観セラピー
スピリチュアルではない視点で自分と向き合う内観プログラム