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怒られる恐怖を癒す内観法
▼初めから読みたい方
「怒られるのが怖い」を減らす内観ヒント
この記事はこんな人にオススメ
- 怒ってる人を見るとビクビク、イライラする
- 不機嫌そうな人を見ると、機嫌を取りたくなる
- 怒られてる人を見ると自分がつぶれそうになる
- 怒らせないことを優先して立ち振る舞う
他人の怒りに敏感に反応してしまう人は、自分と他人との間にある「距離感を感じる力」を育てると「怖さ」に引っ張られにくくなり、心を平穏に保ちやすくなります。
心の平穏を守る内観
私達は、他人を「私と同じ存在」と感じる力と「私は私、他者は他者」と感じる力の両方を持っています。
どちらも生きていく上で必要な「感じる力」です。
「私と同じだな」の感覚によって、相手に共感し理解しやすくなる一方で、相手に立ち入り過ぎる原因にもなります。
「私は私、他者は他者」の感覚によって、自分の芯を保ち他人に振り回されにくい一方で、相手への関心が薄れる原因にもなります。
どちらも、私達が元々もっている内的な感覚です。
怒っている人を見ると過敏に反応してしまう人は、「私は私、他者は他者」という感覚、つまり他人との境界線を感じる力が弱まっている場合が多いとされています。
過去のトラウマ(心身の記憶)や、刺激に敏感な体質が原因なことが多いですが
この「距離感を感じる力」を育むことで怖さに引っ張られにくくなり、心の平穏を保てるようになります。
「敏感さ」への誇りがある
「人の感情に振り回されたくないけど、共感性を失う位なら、他人との距離感を強めたくない」と思う人もいます。
これは、「他人の気持ちを敏感に感じ取れる自分でいたい」「敏感だからこそ他者に深く共感し貢献できる。自分の中から湧き上がる優しさを大切にしたい。」という誇りからくるものかもしれません。でも大丈夫です。
自分と他人との「距離感を感じる力」を育てることで、自己犠牲的ではなく、心地よい形で自分の繊細な感受性を発揮でしやすくなります。
怖いものは怖い!
怒りに対する恐怖感を減らしたくて
ネットや本を探ってみても、結論として
- もう大人だから大丈夫
- 死なないから大丈夫
- 思い込みだから大丈夫
- 怒ってる人は悲しんでると分かれば、大丈夫
- 慣れれば大丈夫になる
このように「大丈夫な理由」が語られていることが多いと思います。
「確かにそうだよな」「それが事実だろう」
と納得しつつ、こんな経験ありませんか?
「怖がる必要がない」と自分に言い聞かせても
「自分には関係ない」とわかっていても
怖いものは怖い!!となってしまう
あの感覚。
この「怖さ」は主に、前述のとおり【共感性】と、過去の体験【心身の記憶】などが影響しており、
克服の鍵は
心の中に
安心と安全を根づかせることです。
安心感が育つ内観
心の奥の不安感・恐怖感を内観して「距離を感じる力」を育てると、
徐々に、「他人の機嫌は他人のもの」と受け止められるようになります。
以下は、内観セラピーを受けているクライアントさんの実例をご紹介します。
クライアントさんの内観例
内観前の心の反応
- 嫌いは嫌いの態度、不機嫌をさらす大人げなさ、幼稚さに怒りがわく。
- 怒ってる人や不機嫌な人を見るとザワツク。その人をちらちら見てしまう
- 溺れている人を助けるように近寄るような感覚。
- 「そう思わないで欲しい」という気持ちで感情が高ぶる
- 不安や恐怖は、子どもの頃の母との関係にリンクしている
内観の内容
- バウンダリー(境界線)について
- 心身の動き方や、「なかなか手放せない不安や恐怖」について
- 自分ならではの「怒り」について など
これらを、セラピストとおしゃべりしながら座学を行い、並行して細やか想いも丁寧に内観しました。
内観して気づいたこと
- 自分に危害が及ぶ恐怖、緊張、警戒心の根強さ
- 相手を変えられない。無力感。残念な気持ちの温度感
- 常に緊張、警戒心があり、得体の知れない脅威が来る恐怖の存在感
- 自分ならではの怒りのトリガー、絶望のスイッチを詳細に把握、理解した。
- 安心という感覚がわからない。わからないから不安だったんだという気づき。
変化
- 無自覚だった心の細部まで癒せる安心感、納得感を感じることができた。
- 自己理解が深まり、何を望んでいたか気づきいて、嬉しい、温かい感覚がわいた(涙)。
- どっしり感とした自分感(強さ、優しさ、愛のような感覚)に気づいた。
- 偉そうにするんじゃなくて、折れない位のどっしり感、肯定感。「自分で在る」感覚を発動していい。自分にワクワクした。
後日談
心の中に安心感を育てながら、穏やかに立ち返るスペースができました。不機嫌な人や怒っている人に対しても、優しく見守る気持ちを持てるようになり、自分の心が穏やかに包まれていくことが増えています。
また、日常で心が揺れるときにも、心を少し引いて見つめられる余裕が生まれました。過去の不安や恐怖が少しずつ癒され、内側に安心が育つと、自分らしい才能や感性に気づきやすくなり、楽しい気持ちで自己表現の幅も広下ています。
心の深い場所の痛みに寄り添うには、
「自分自身の心と向き合う丁寧さ」が大切です。
自分ならではの気持ちに丁寧に寄り添わなければ、小さく叫んだ心の痛みをくみ取り切れないからです。
あなたならではの、繊細で優しい心に深く寄り添ってみたい方はこちらをご覧ください。
LINK:怒られる恐怖から安心と希望の感覚へ。
LINK:内観セラピーの効果 /全国オンライン