この記事はこんな人にオススメ
- 親への執着を手放せない自分と向き合いたい
- 不幸人生を卒業する自分になりたい
- セラピー依存やスピリチュアル依存を卒業したい
- 親にとらわれず、自分なりの歩み諦めずに前に進みたい
- 臆病な自分を受け入れたい
酷い親に育てられたから自分は人生を楽しめない。仕事や恋愛が上手くいかないのは、あの酷い体験をしたせいだ。そう思ってしまいたくなるような過酷な経験をしてきた人もいます。だからといって自分の人生を苦しいまま過ごしたくはないと思います。
この記事は、過去の辛い経験が人生観に影響を及ぼして「どうせ自分は幸せになれないに決まってる」「どうせ何をやっても無駄」「どうせ変わるはずがない」と心で諦めようとしている時によくある状況を解説しています。
当てはまる人にとっては耳が痛い内容かもしれません。しかし、過去の痛みを過去に還して、もう前に進んで行きたいというご意志がある方は、最後まで読んでご自身の気持ちと照らし合わせてみてください。
苦しい人生に特別な価値を加えたくなる
「過酷な人生を生きてきた自分には、特別に定められた苦しむべき運命がある。」というような信じ込みを抱いて、「自分の人生は苦しいことが起きて当然だ」と言わんばかりの強い意志を貫こうとしてしまう場合があります。
なぜ自分はこんな目に遭わなければいけないんだ、と表向きは嘆くのですが、こんな特別な苦しみを背負うのが自分のさだめであろうという無意識の受け入れ体制を強化してしまって、心の奥ではラクで軽やかな状態に向かう選択肢を持とうという気持ちになかなかなれません。
このような心理状況になる理由は、人によって様々ですが、よくあるパターンとしては
- 強く諦めることで「変化」という刺激の強い選択を選ばずに済む
- 可哀そうな状態を保持することで「特別視」という権利を得られる
- 受け入れたくない自分に着目したくない
といった防衛反応が発動している状態だったりします。それほどに不安や恐怖心が強い状態ということでもありますので、こうした状態になっている自覚がある方は、まずはその自分を理解し、許し、少しずつでも受け入れていく心のスペース(安全感)を育てることが大切です。
サバイバル状態で生きる
過去の経験でトラウマチックな状態になっていると、強いストレスや危機的な状態を強く記憶し、サバイバル状態で人生を生きているような緊張が染みついています。その場合、周囲の人が何の危険もないように思う場面でも、サバイバル状態な人にとっては刺激が強く感じて攻撃的になったり、警戒姿勢となったり、頭が真っ白になったり、場合によっては媚びを売るようなコミュニケーションスタイルで予期したストレスを避ける、または最小限に抑えようという行動言動が出ることもあります。(意識的にそうしているのではなく、無意識の反射として発動してしまう状態という意味です)
こうした状態を本人が自覚している場合は、その緊張状態からリラックス状態へと移行するスタートラインに立つ(新たな変化を受け入れ歩み始める)のですが、自分がサバイバル状態となっている自覚がなく、苦しさ・生きづらさ(不快さ)だけを自覚している場合は、表面的な苦しみを今すぐ解消したい衝動にかられてしまいがちです。
そのような視野が狭くなっている状態は、感情的に過去のエピソードを話すことに没頭したり、自分を苦しませた相手や過去の出来事に意識を集中させて、いかに自分の苦しみが正当なものであるかを証明することに没頭するような言動・思考になりやすいため、まずは感情に没頭してる意識からクールダウンし安全感を育てることが大切です。
この安全感がなく衝動が発動しているまま荒れる感情のままにカウンセリングやセラピーなどの支援を受けていても、効果的な心理アプローチ・支援を進めるスタートラインに立つことが出来ません。また、意外と多いのが、このような心理状態に気づかないパターン。形としては心理アプローチを進め、効果のない表面的な行為にしかならず、むしろ必要な取り組みを遅らせたり、緊張状態を強化して放置状態となる・・・ということが多々あります。
カウンセリングやワークの行為より意識状態が大事
どんなカウンセリングも、セラピーワークも、形だけの行為としてやってる限り根本の変化はしません。感情的で衝動的な状態になっていることに気づけないまま、やみくもに過去の辛い記憶を掘り起こしたり感情を感じ解放しようとすることは、サバイバル状態の自分にさらにムチを打って「やっぱり怖い目に遭うんだ」「やっぱり苦しむしかないんだ」「やっぱりこの苦しみと戦わねばダメなんだ」などの無意識設定を強化してしまうことがあります。
個人的な意見としては、このような感情的で衝動的な状態に気づいたり、そうした状態に必要なスペースを確保することがどれほど重要であるかを学ぶ機会はセラピスト志望でない限り、無いに等しく、セラピスト志望であってもこうした微妙なニュアンスを学ぶ機会は限られているのが実情だと思います。
しかも、心のケアが昔に比べポピュラーになってきた今、苦しい感情を積極的に解放させようとするワーク・キャッチコピーが誰の目にも止まる場所に沢山あります。どんなワークでもどのような意識状態で取り組むのかが重要であり、行為レベルで行うのと、理解の上で安全に行うのでは全く意味合いが変わると思います。
内観の心構え
苦しい人生から解放されたい。という想いで内観する場合、
- 「その想いを叶える自分に変化したい。」という意思の選択
- 「どんなに辛い過去があっても、傷ついて臆病になっているのは“今の自分”である。」のだと知る
ことが大切です。
「これが運命だ」「どうせ変われないに決まってる」「変われなくて当然だと証明してやる」という心づもりで、どんなカウンセリングやワークをしようが、変わるはずがありません。
そのような想いがある場合は、そうやって今、自分自身がその意思を持っていることを静かに受け止める。そんな勇気を使ってみてください。
過去を過去に還すために今の自分を受け止める。癒し、育み、未来に繋げようと今の自分が意思選択をする。それはご自身にしかできないことです。
そうは言っても臆病な自分が出てくる
そうはいってもすぐには変われないよ。だって怖いんだもん。自信ないもん。と変化への言い訳(敢えて“言い訳”という表現を使っています)をする自分を責めず、許し、理解し、急かさず、寄り添い、耳を傾けて
- どんな心の景色でもわかってあげたい。
- どんな言い訳でもわかってあげたい。
- どんな臆病さでもわかってあげたい。
- どんなにダサくてもわかってあげたい。
- どんなに心が揺れようがわかってあげたい
という心構えで今を生きる。日々の過ごし方を、そういう心構えで生きてみませんか?どんな臆病のままでも問題ありません。問題はそこではありません。自分の痛み、弱さ、緊張、臆病さがあると認め、受け止め、批判せずにわかってあげてください。そうした温かい姿勢で内観しないと、過去を振り返る意味がないし、むしろ逆効果にさえなります。
未来ばかり見ると今が見えない
ここまで書いたように、自分の痛みに寄り添う姿勢が大切ですが、抱えている問題を解決したいがあまり、未来に対する対処スキルばかり身に着けようとしても、内観にはなりません。
内観とは今の自分の内面を見ることです。今の自分の意識に気づくことです。そして自分を生きる心の姿勢を思い出すことです。
未来への目的達成思考が悪いのではありませんが、内観においては未来への目的達成思考を一旦止めて、単なる自分に還りましょう。
未来への目的達成思考が強い人は、単なる自分に還ることへの抵抗に気づくことが先です。単なる自分に還るには、知らぬ間に身に着けた記憶メガネから解放されること。
SNSや本などを開くと「未来を見よう」「過去を振り返ろう」「今を生きよう」という言葉があふれかえっていて、使われる言葉は立ち位置によって変わるけれど、根本は同じことを言っているように感じます。
内観サロンTrueFaceは現実を生きる
当店内観サロンTrueFaceでは、温かい姿勢で自分に取り組むこと、心を学び感じる感動を伝えられたら嬉しいなぁと願っています。
内観という取り組みにどのような印象や期待を抱くかは人によって様々でしょう。金持ちになるため、思い通りの引き寄せの達人になるために内観をしたい。と考える人もいますが、その目的の場合、私の内観サポートは地味でウンザリすると思います。また、スピリチュアルなすごい人にパワーを与えて貰いたい、救って貰いたい、スピリチュアル能力を強化しなければ自分を救えないという人も、私のサポートではお役に立てないし主体的で現実的な考えに嫌気がさすと思います。しかし私は、自分自身が内観を通して気づいたこと・感動を大切にしたいと思っています。
このページでは厳しく感じるような内容も敢えて表記してみました。ご自身の心身の反応に温かく耳を傾ける姿勢、都合の悪い自分を受け止める勇気、甘やかすのではなく静かにわかってあげることは、誰にとっても、私にとっても大切なことです。こうした考えに共鳴され、内観したいと思っている方は共に学んでいきましょう。